| 増島: |
嶋田さん講習ご苦労様でした。 |
| 嶋田: |
いやあ、久しぶりに一日中椅子に座って勉強しましたね、普段は営業で外回りですか ら、なんか学生時代を思い出しましたよ。講義は自分の興味のある山の話ですから、眠くな らず楽しめました。 |
【嶋田さんの最初の山登り】 |
| 増島: |
嶋田さんの最初の山ってどこに行ったんですか。 |
| 嶋田: |
もう30年以上前ですけど、生まれ故郷の京都から東京の明治大学(法学部)に 入学して、そこでたまたま僕の隣の席の奴が東北生まれで(仙台)夏に、東北の山に行こう ってことになったんですよ。学友の3人で乳頭温泉周辺の山に登ったんですが、そのときの 感動が忘れられなくってね。関西とは全然違う風景、湯治スタイル、ああ日本は広いなって 思いましたね。それからその仲間とキスリング背負って革の山靴はいて、谷川岳、北アルプ スを登りました。 |
| 増島: |
キスリングですか、懐かしい名前ですね。今のザックのほとんどは、ナイロン製で派 手な色のアタックザック型ですから、若い人に言ってもキスリングの帆布の色のよさは分か らないですよね。 |
| 嶋田: |
そうでしょう。でも古いのもが無くなり、新らしくより使いやすくなるのはしょうが ないですよ。
学生のときは大学紛争で、結構時間があったんで、山はよく行きましたね。 卒業して非鉄系メーカーに就職が決まりましたけど、日本は高度成長真っ盛りですから、転 勤で九州、名古屋と回っていたら、名古屋の工場のときに職場で山好きの社員と意気投合し てまた山を始めるんですね、会社の中に「山のサークル」を作って女子社員と かと山へ行きましたよ。ただ休みの時だけなので、連休やお盆に中央アルプスなんかに、繰 り出しました。残念ながらロマンスはありませんでした。
その後、30台後半に東京勤務に 戻ってしばらく山にいく生活はなくなりました。40代になって研修で行った那須研修所で ついでに三斗小屋まで登ったら、またまた山っていいな、と再認識して、それと健康診断で 今話題の「メタボリック」とか言うので、運動せよって健康診断書に書いてあった、これで 大手を振ってまた山に行き始めました。
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【中高年はみんなメタボ症候群】 |
| 増島: |
メタボですね。やはり仕事が忙しくなるとどうしても運動不足になりますよ。 |
| 嶋田: |
今の中高年(50歳以上)はほとんど全員がそうじゃないですか。自分の好きなこと してメタボをなくせれれば最高ですよね、山はいいですよ、あんまりお金のかからずに楽の しめますから。私は高血圧で下が90、上が160なんですよ。薬を飲んで血圧を下げるようにし てますけど、今のところ山で歩けるし問題ないって医者は言ってるから大丈夫でしょう。 |
| 増島: |
中高年の生活習慣病は怖いですよね、糖尿病に心臓病、気をつけないと、僕も人ごと ではないですね。 |
| 嶋田: |
まだ若いとき、そうですね30台前半かな、3人で中央アルプスの空木岳(2864m) に夏登ったんですけど折からに低気圧の接近で、大雨と強風で、私が疲れて倒れたんですよ。 目の前が真っ白って感じです。幸い仲間があったかいオボスポーツ(粉末飲み物)を作って くれて、何と帰ってきましたが、体力の過信や悪天侯は気をつけないと。 |
【50歳からの山登りはまた違う楽しみがある】 |
| 増島: |
最近はどんな山へ行ってますか。20台とは違う感覚ですよね。 |
| 嶋田: |
印象に残っているのが、6月の槍ヶ岳(3180m)に仲間4人で行ったときです。夫婦 が一組いました。とても不安がってね、でも上高地から横尾に入って一泊して、槍の肩の小 屋まで行きました、初日は雨だったんですけど、3000mの稜線に出るとあれ不思議、晴れた んです、私は「晴れ男」ですから(笑い)、3日目に槍の山頂の4人で立ちました。 誰もいな いんです、もうみんな大喜びですよ、360度視界をさえぎるものがないんですから。このとき 初めて人を案内する楽しさを味わいました。印象深い山登りでした。 |
| 増島: |
中高年の山って、終わった後の楽しみも格別ですね。 |
| 嶋田: |
そうなんですよ。白山(2702m)に行ったときは帰りの金沢市でみんなでレンタサイクルを借りて市内見物を自転車でしたんです。ご婦人も一緒だったんですが、喜びましたね。
自転車で金沢市内を回るとそれだけで面白いんですよ。50歳-60歳の青年自転車隊の市内観光って言う感じですよ。おまけに温泉は行って、地酒飲んで、こういった山の楽しみってかたって若い人より、われわれのような中高年のほうが企画力もあるし、楽しみ方を知って思いますよ。要するに無駄なところには金をかけないで、使うときはバーンって使う感じかな。 |
【中高年が企画する新山旅の提案】 |
| 増島: |
最近、旅行会社では中高年の富裕層を狙ってクルーズなんかを販売してますね。 |
| 嶋田: |
私の娘が大手旅行会社でクルーズのセクションなんですけど、私の経験では、富裕層は本当はごく一部で、90%は私と同じぐらいの所得ですから、家買って、子供を育てたらあと残ってないですよ。
だから、お金は有効に使いましょう。しかも持っているお金はこれ以上増えませんからね。 |
| 増島: |
嶋田さんの考えているこれからの山登りはどんなですか。 |
| 嶋田: |
まず、年齢を自覚しないといけませんね、私も長野県の雨飾山(1963m)にいったとき何のことはない下りでつまずいて、3m転がって木にひっかかったんですよ。びっくりですね。MTC講座の講義の中で「中高年の運動生理学」をやりましたけど、本当にバランスと筋力が20台のときの半分になってるんですね。だからこれからは単独行はやめたほうがいい。無理できないので余裕を持った山登り、それと「ツアー登山」に参加も方法ですね。 |
【中高年の富裕層はごく一部】 |
| 増島: |
嶋田さん山の原点、山と温泉は楽しみの一つですよね。 |
| 嶋田: |
学生時代に行った東北の乳頭温泉のあの日本的な山の匂いと、東北の山の大きさ、それに湯治場としての魅力忘れられないです、それに中高年の人たちを山に連れて行って、満足して降りてきてから、下山地の温泉に入って、そこにある地酒を飲んで、町は自転車で回って、こんな企画だったら「かなり安上がりで最高の贅沢な時間をすごせる」って思いませんか。
豪華客船に1千万も使うんだったら山に行けば10年楽しめるし、仲間もできるし、楽しいですね。山は行くたびに顔が違いますから。 「山に行って健康になって、温泉は入って肌つるつる、銘酒を飲んで酩酊」かな。 残念ながら女房は山登らないんですよ。ちょっと残念。 |
| 増島: |
今日は、ありがとうございました。
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(文責 増島達夫)
インタビュー 07/02/06
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